弁護士にとって無料法律相談は有効か
無料法律相談は定着しました。
少し前までは、無料法律相談をする、しないの議論がありましたが、今では完全に定着した印象です。
法律相談は営業上最も重要な作業であることは間違いないです。そして、その機会を増やしてくれる無料法律相談は有効です。皆さんがご心配するのは相談者の質が落ちる、空振りが増えるなどということかもしれませんが、運用していくうちに合理化のノウハウは積み重なっていきますので、次第に何等かの改善ができるはずです。勤務時代にはお膳立てされて椅子に座っている相談者の方とお話すればよかったのかもしれませんが、電話やメールでの問い合わせの段階も含めて多くの相談者の方と接して、法律相談を希望している方のことをよく知ることは重要です。受任率の高い弁護士の方は自事務所の法律相談のしくみに取り組む姿勢も違うように思います。
また、当日や前日予約を積極的に受け付けるようにしましょう。歯科医院が当日の治療申込に対応できるように少しキャパに余裕を持たせているように相談者の方が急ぎの法律相談を希望するのであれば対応できるしくみを作ることも受任率を大きくあげる要素となります。
無料法律相談の見直し
無料法律相談をしていたのが、法律事務所の運営の過程で、無料法律相談を見直すことがあります。どうしても相談の質が上がらずに効率が悪いために、無料相談の全部または一部を止めてみるというものです。
一部の無料法律相談を止めてみる
すべての問題の法律相談を受付けていた法律事務所が雑多な類型化できないような問題の相談を有料にすることがあります。主要業務以外の法律相談は受任に結びつかないことが多いというのが理由です。これだけでも無料法律相談のオペレーションは随分楽になります。事務所の主要業務が交通事故、離婚、相続、債務整理などであればこちらの業務だけ無料にして無料法律相談を続けることになります。
受任率の高い業務だけ無料法律相談を続ける
離婚相談などは受任率が低い場合も多いので、受任率が高いとされる交通事故、債務整理だけ無料法律相談を続けるというケースもあります。
主要業務、受任率の高い業務も含めすべての無料法律相談を止める
よく、無料法律相談と有料の法律相談では相談者の本気度が違うと言われますが、安い相談料でもよい(30分3,000円等)ので、真剣に考えて相談して来る方を対象に法律相談を行いたいという理由で、無料法律相談を止めて有料法律相談にするケースがあります。法律相談自体の申込数も多いのであれば、多少相談数が落ちても問題ないのでスムーズに移行が可能です。
やはり開業時には無料法律相談をすべきなのかな
開業時には主要業務、受任率の高い業務に絞らずすべての業務で無料法律相談を行ってみることをおすすめします。実際にどんな内容の法律相談が入るのかというのは身をもって体験するのが一番です。やるのであれば時間のある開業時が一番適しています。勤務時代に経験済であっても、開業場所の状況や、ライバル関係、事務所の実績などによっても相談内容が変わってきますので、最初だけでも、マーケティングリサーチの意味で試してみるのがよいでしょう。
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